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採血室からの学会および論文発表

11.伊達 亜理沙,高橋 恵,森田 賢史,堤 由紀子,久末 崇司,曽根 伸治,大久保 滋夫,蔵野 信,矢冨 裕.採血時のトラブル減少に向けた取り組み.第62回 日本臨床検査医学会学術集会,2015.11.19-22.岐阜.

(抄録抜粋)        

 当院は採血患者の90%以上が採血待ち時間10分以内で,満足できる状況であった.しかし採血時の神経損傷,痛み・痺れが0.03%,止血不十分による衣類汚しが0.02%,血管迷走神経反射(VVR)が0.01%で起こり,その半数は初回採血患者であった.さらに採取した検体の凝固・溶血による再採血が0.1%であった.止血が不十分で衣類汚しを起こす患者への対応策として,2014年10月より杖や手押し車(歩行補助車)の使用で止血が困難な患者や抗血栓薬服用者には止血ベルトを巻くようにした.過去6ヶ月以内に採血履歴の無い患者は,採血照合端末に警告を表示して過去の採血でのアレルギーや気分不良の有無を確認した. また2015年1月より採血での痛み・痺れの有無,止血ベルトの使用,採血器具の種類などを採血照合端末から採血者が直接登録をしている.採血照合端末での6ヶ月以内の採血歴の警告表示や止血ベルトの使用は,VVR発生や衣類汚し防止に有用と考えられる.採血者によるリアルタイムでの採血状況の登録はまだ十分に出来ていないが,採血時のトラブルを減らす改善策を実施し,その有効性を検証していきたい.

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