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採血室からの学会および論文発表

7.松田綾沙,他.安全な外来採血を目指した取り組み.第63回 日本医学検査学会.2014.5.新潟.

(抄録抜粋)        安全な外来採血を目指した取り組み

【はじめに】東大病院の外来採血室では,安全に採血できるように様々な取り組みを行っている.採血時の感染対策は必須であり,世界保健機構およびアメリカ疾病予防管理センターは,標準予防策として「血液または健常でない皮膚,または潜在的に汚染が予想される健常な皮膚と接触するなどの場合には,手袋を着用する」とし,「患者毎の手袋交換」の必要性にも言及している.さらに手袋が破れたり,手袋を外す時に手が汚染される危険性も高いことから,手袋を外した後は,必ず手洗いをしなければならないとしている.今回,採血待ち時間を延長させることなく患者毎の手指消毒法を改善したので報告する.
【方法】1.患者毎の手袋交換: 2010年8月より患者毎の手袋交換を実施した.
2.手指消毒法の変更: 2013年8月より手指消毒法をアルコールタオルからゲル状アルコール消毒液を用いた擦式法へ変更した.
【結果・考察】患者毎の手袋交換導入前後の採血所要時間は,導入前が平均215秒であったのに対し,導入1ヶ月後は平均234秒と約20秒延長した.しかし,2ヶ月後は平均227秒に短縮した.また,擦式法の手指消毒を導入した前後では,採血所要時間の延長はなかった.患者毎の手袋交換は,例年採血患者数が最も少ない8月に導入し,約1ヶ月の手袋交換に慣れる期間を設けることで,採血待ち時間の大幅な延長はなかった.擦式法の手指消毒は約15〜20秒を要するため,アルコールタオルによる清拭法より採血所要時間および患者の採血待ち時間が延長すると予想された.しかし,次患者の採血管を準備する時間(採血管3本で約25秒)および患者を呼び出す時間(約20秒)に擦式法の手指消毒を実施することで,採血患者の約90%は10分以内で採血を終了できた.今後も確実な感染対策を行ない,安全で採血待ち時間が少ない採血体制を継続していきたい.

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