採血室からの学会および論文発表
4.曽根 伸治,他.感染対策に配慮した外来採血の効率的運用に関する検討.臨床病理 60:853-859.
(論文抜粋) 感染対策に配慮した外来採血の効率的運用に関する検討
2008年〜2011年の当院の平均外来採血患者数は1日960名である.採血患者が午前に集中して,採血待ち時間が延長することがしばしばある.外来採血室の待ち時間短縮の取組みは重要である.近年,患者間の感染防止対策が要求され,2010年8月から患者毎の手袋交換,駆血帯,採血枕の消毒を実施している.この施行により1患者の採血所要時間は約20秒延長して,8〜10月の3ヶ月間では,10分以内に採血が終了できた患者の割合が73%から58%に減少した.採血手順の工夫や採血台を1台増設することで2011年は,2008,2009年に比較して10分以内の採血待ち時間の割合が,73%から83%に増加し採血待ち時間は短縮した.また検査室に採血状況を表示して,混雑時に警告を表示して採血支援を促した. これらにより各検査室より効率的に採血担当者を捻出して,無駄のない採血要員の配置で,2010年8月から患者毎の手袋交換,採血枕・駆血帯の清拭などの感染対策を患者の採血待ち時間を延長することなく実施できた.