採血室からの学会および論文発表
1.大竹 奈都子,他.採血業務の効率化.第60回 日本医学検査学会.2011.6. 東京.
(抄録抜粋) 採血業務の効率化
【目的】採血時の溶血や凝固により検査が出来ず再度患者を呼出す事例や,患者毎の手袋交換を厳守することで,患者の採血待ち時間が延長したため,採血業務の効率化を検討した.
【方法】@治験採血患者や小児患者は,受付でカードを渡し優先採血を行うA採血者の照合用端末にアルコール過敏症や透析用シャントなどの患者情報を表示B採血困難などで採血者が検体の溶血や凝固を疑う場合は,患者に待っていただき,1分程度の遠心で溶血を確認し,血算の凝固は鏡検で確認C採血手順の統一や採血時間の短縮のため新人とベテランで採血シミュレーションを行い,ホルダー付き翼状針採血の採血時間や手袋交換するタイミングなどを検証した.
【結果】カードの利用や照合端末に患者情報を表示することで効率的に誤りのない採血を可能.2010年7月から2010年9月迄の凝固および溶血件数は,確認した検体数(約400本)の3〜4%と低く効率的に確認できず,待ち時間の延長に繋がっていることが判明.採血シミュレーションでは,ホルダー付き翼状針採血の方がシリンジ採血より採血時間は短縮するが,止血時間や針,ホルダーの後始末に改善が必要.ISO 15189のSOPに従った消毒や手袋交換で採血時間が短縮することが判った.
【考察】効率的な溶血や凝固確認,採血手順の統一,さらにホルダー付き翼状針採血の推進は,安全な採血および患者サービスが向上すると考えられる.