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東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
血清中CKMB活性測定用試薬“アキュラスオートCK-MB MtO“の精度向上のための検討(承認番号2813)
  1. 研究課題名
    血清中CKMB活性測定用試薬“アキュラスオートCK-MB MtO“の精度向上のための検討
  2. 承認番号,承認日
    平成21年11月30日(承認番号2813)
  3. 内容
      クレアチンキナーゼMB分画(CK-MB)は心筋由来の酵素であり,その血清中の活性値の測定は,心筋梗塞症の診断や発作時の経過観察に広く利用されている.日常検査での測定方法は免疫阻害法を原理とし,試薬中に含まれる抗CK-M抗体によりCK-M活性を阻害し,残存するCK-B活性を測定後,活性値を二倍にしてCK-MB活性を求めるものである.この測定法(従来法)は,血清中にCK-MM,CK-MB以外のアイソザイムが存在しないことを前提としているため,血液中にミトコンドリア由来CK(MtCK)や脳由来のCK-BBが存在すると,これらは抗CK-M抗体では阻害できず,CK-MB活性は偽高値となる.したがって,他のアイソザイムの測り込みにより,臨床へ正しい測定値を報告できないという問題が日常検査で多く見受けられている.最近,シノテスト株式会社により,従来の試薬に,さらにMtCK活性阻害抗体を加えた“アキュラスオート CK-MB MtO“が開発された.本試薬によって,MtCKの測り込みによるCK-MBの偽高値を防ぐことが期待される.また,この試薬と従来試薬で測定したCK-MB活性値の差を求めることにより,偽高値の原因であるMtCK活性を算出することが可能となった.平成21年3月より,この新規試薬の性能を評価し(倫理申請承認すみ,受付番号2465:血清中CKMB活性測定用試薬“アキュラスオートCK-MB MtO“の性能評価),本試薬には,精度に課題があることが認められた.したがって本検討では,本試薬の更なる精度の向上のための検討,および,CK-MB偽高値の原因であるMtCK活性の算出によるMtCK出現のパターンの解析を目的とする.(大川 龍之介)
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