東京大学医学部附属病院 検査部長 蔵野 信 |
東京大学医学部附属病院 検査部(以下病院検査部)・部長、東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻病態診断医学講座臨床病態検査医学分野(以下大学院講座)・教授を務めております蔵野 信です.
病院検査部は,昭和30年(1955年)に設立され,我が国では最も歴史のある大学病院検査部の一つであり,我が国の臨床検査の歴史とともに歩ませていただいてきました.大学院講座は,1984年に設置されました医学部医学科 臨床検査医学講座を前身とし,1996年に大学院講座となりました.臨床検査医学が,臨床の現場に根差した実践的な学問であるため,病院検査部と大学院講座は一体となり,運営され,臨床検査医学の発展,その実践としての我が国の臨床検査のレベルの向上に貢献してきたものと自負しております.
私は,東京大学医学系研究科・大学院講座/病院検査部としてのあるべき姿は,卓越した正確な検査技術をもって,様々な疾患病態を探求し,新しい臨床検査法を開発する,という特性を有する臨床検査医学を発展させること,そして,臨床検査医学の発展に貢献できる医師,研究者,臨床検査技師を育成すること,医学部附属病院の理念・目標を達成するために,臨床医・病院から求められる臨床検査(体制)を提供することと考えております.
病院検査部,大学院講座には「奉仕・協調・前進」という伝統的なスローガンがあります.昨今,病院検査部,大学院講座の沿革をまとめるにあたり,振り返りますと,先人たちが,この病院検査部,大学院講座の伝統を,時代の変化・要求に柔軟に対応しつつ,数々の困難を乗り越え,守り抜いてきたことが良くわかりました.私たちも,その伝統を引き継いでいかなければならないと思いを新たにするところであります.
最後になりますが,スタッフ一同,臨床検査医学の発展,病院の検査部門として東京大学医学部附属病院の診療に貢献できるよう,全力を尽くす所存であります.今後とも皆様方のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます.