T.検査室の紹介
腹部エコー室は臨床検査技師9名(取得資格:超音波検査士7名)と各診療科医師で担当しております.
肝臓,胆嚢,膵臓,脾臓,腎臓,膀胱,前立腺,甲状腺,関節,皮膚の検査を行っています.
U.検査の紹介
腹部エコー検査とは・・・
1.特徴
エコー検査は超音波(耳で聞こえる音よりも周波数が高い音)を用いて体の内部を観察する検査法です.CT検査やX線検査のように放射線被爆の心配がなく無侵襲な検査ですので安心して検査を受けて頂くことができます.腫瘍,脂肪肝,胆石などの有無だけでなく,その大きさや深達度(どのくらいの深さまで達しているか)や血液の流れる方向,速さを調べることができます.また,映し出される画像はリアルタイムで動いて見えるため画像を見ながら組織を採取したり,治療のために使用することもあります.
2.原理
プローブと呼ばれる探触子から発せられる超音波は生体内の組織境界で反射と透過を繰り返します(音響インピーダンスの差による).反射して返ってきた超音波をプローブが受信し,その強さを明るさにして画面に表示すると断層像が得られます(Bモード).画面表示はほぼリアルタイムに表示ができ,体内の状態を見たい角度から観察することが可能です.
3.検査所要時間
当院は完全予約制となっております.
検査に要する時間は消化器・泌尿器科エコーで10分〜30分,甲状腺エコーは20〜30分,関節エコー・皮膚エコーは30〜60分です.
4.検査のための注意事項
1)腹部エコー
・食事は検査予約時間の6時間前までにお願いします.
なお,お水やお茶(砂糖やミルクの入っていないもの)は多少飲んでも構いません.
・検査当日は上半身は脱げるような服装で来院して下さい.
・内服薬の服用については主治医の指示に従って下さい.
2)泌尿器エコー
・泌尿器エコー検査の場合は膀胱を検査するため検査直前に排尿せず,予約時間までにできるだけ尿を溜めておいて下さい.
3)甲状腺エコー
・首まわりの開いた服を着用してください.
4)関節エコー,皮膚エコー
・脱ぎ着のし易い服装で来院して下さい.ストッキングは避けて下さい.
※予約時間までに24番生理検査受付で受付を済ませ,腹部エコー待合室でお待ち下さい.
※食事による影響とは・・・
食事をする事によって胆嚢が胆汁を出すために収縮し,胆嚢の評価が困難になります.
また,胃の中に食べ物が入ると胃の裏にある膵臓が見えにくくなります.
5.検査の方法
1)腹部エコー
@腹部を露出し,ベッドに仰向けになります.
A超音波ゼリーを塗布しプローブを当てます.
B検査時は呼吸の調整が大事です.検査担当者の指示に合わせて呼吸の調整を行って下さい.
C基本的に姿勢は仰向けのままですが観察する臓器によって体位を変えて頂くこともあります.
2)体表エコー(甲状腺,関節,皮膚)
@観察部位を露出し,ベッドに仰向けになります.
A超音波ゼリーを塗布しプローブを当てます.
B観察部位によっては体位を変えて頂くこともあります.
【FibroScan】
当院ではC型肝炎など慢性肝障害による肝臓の線維化(硬さ)の評価をFibroScan(フィブロスキャン)という装置で測定しております.この検査は痛みや放射線被爆の心配はありません.検査時間は5分程度です.