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50周年に寄せて(2005年)
心エコー検査の変遷

佐々木賀津乃

歴史  
  東大病院検査部の心エコー検査は,1990年,永井良三講師,中原賢一医員が始め,井上博講師へと引き継がれた.1992年,竹中克講師の赴任とともに,病院に散在する心エコー装置が中央化され,技師教育が充実し,検査件数も飛躍的に増加,現在に至っている.

現在  
  竹中克講師,海老原文助手,佐々木賀津乃主任技師のもと,心エコー専任技師3名と多くの循環器医師とが協力して,日常検査,学生教育,臨床研究に邁進している.心エコー担当技師のなかには,日本超音波医学会認定検査士の資格を持つものも多く,またAmerican Heart Association年次集会での発表経験者も存在する.従来の心エコー・ドップラー検査に加えて,最近の検査手技の発展・拡大の流れに沿う宇野漢成(前)助手の多大な努力により,経食道エコー,頸動脈エコー,末梢血管エコー,3次元心エコー,組織ドップラー,局所心筋strain計測,さらに病棟出張エコー(hand-held echo検査を含む)も施行されるようになり,検査件数にも順調な伸びがみられる.

展望  
  現在建築中の第二期中央診療棟に,2006年移転を予定している.現状より検査スペースが広がり,さらに新しい超音波診断装置の購入も予定されているため,さらなる発展が期待されている.同時期に心エコー結果報告のシステム化を考えおり,将来の電子カルテ化にも順応できるよう現在作業中である.心エコー検査は循環器診療において最も情報量が多く重要な検査であるので,臨床現場(病室,外来)との連携をさらに深めていく方針である.

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