眞ア 桂
当検査室では,脳波検査,筋電図検査を中心に神経生理に関わる検査を幅広くおこなっている.この10年を振り返ると,まず検査項目が増えた.中でも脳磁図検査,光トポグラフィー検査,術中神経モニタリングである.そして,病棟検査室と連携するようにもなった.これらの検査項目が増えたことにより,先進医療やチーム医療にも関わりを持ち,検査室内に留まらず病棟ベッドサイドや手術室での検査もおこなうようになった.
検査室内での検査も,10年前と比較すると,より高度な技術を要求されるようになったと感じる.術中神経モニタリングが盛んになってきたことにより,関連する術前検査の依頼が手術直前に申し込まれたり,困難を極める小児の神経学的検査をフルセットで依頼されたりもする.
そんなハードで高度な業務内容になったが,検査室のスタッフも10年前と比べると15歳ほど平均年齢は若返っている.日々の知識・技術習得にもやる気と活気があり,とても良い検査室であると自負している.
(過去10年の流れ)
2005年4月 神経磁気診断検査開始
2006年11月 旧中央診療棟から中央診療棟Uへ移転
光トポグラフィー「言語優位半球同定」検査開始
2008年4月 「難治性てんかん症例検討会」への参加
2009年3月 整形外科領域の術中神経モニタリング開始
4月 光トポグラフィー「うつ症状鑑別診断補助(先進医療)」開始
2014年4月 光トポグラフィー「うつ症状鑑別診断補助」へ保険適応拡大
「神経磁気診断」から「脳磁図」へ増点と保険適応拡大
2013年9月 「脳波勉強会」開始
2015年4月 診療端末で脳波記録の全波形参照・電子報告書作成が可能に
今後は,生理検査でもISO 15189取得に取り組まねばならない.
次の10年を見据え,現状に慢心することなく広い視野で,新技術の情報取得・勉強会などを通じ検査室内での情報共有を行い,先進医療・チーム医療にも貢献し続ける検査室になるよう精進していく所存です.