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50周年に寄せて(2005年)
脳波・筋電図・感覚機能検査室

佐藤 文雄

 現状:参考のために40周年記念誌の内容を読んでみたら,脳波検査室のシールドルームのみすぼらしさを嘆いていた.その現状はそのまま更に10年続いてきたわけだが,やっと来年の秋に完成するU期中央診療棟の完成で,誰に見せても恥ずかしくない検査施設になる.ここ2年にわたり平面図から始まり,医療機器,床・サイン板と進み,いま什器選択を行っている. 検査件数(発番件数)も当時と比較して筋電図(1995年−1208件,2003年−1496件,2004年−1520件),脳波(1995年−1575件,2003年−1894件,2004年−1796件)と増加している.これは入院棟Aの完成が寄与していると思われる.
  感覚機能検査では2002年から週一回金曜午前に予約枠2で電気眼震図,重心動揺,サーモグラフィの項目で実施している.その後に診療端末画面でオーダー出来るようになって検査の存在が知られるようになって少しずつ増えている.また,データの信頼度の裏付けとして眼震図は耳鼻科めまい外来のDrに所見を書いていただき,サーモグラフィはサーモロジー学会で著名な先生に指導を仰ぎ,所見内容を含め標準的な報告書の形式になるよう努力している.  人員の面では現在,4名(脳波3名,筋電図1名)で行っているが,当直明け休みや代休・有休さらに,今年5月からは聴覚検査と脳磁図に週半日ずつ人を出していることもあって,人繰りか厳しくなっている.

将来像:U期中央診療棟の完成で生理検査部門がワンフロア−になる.動線が短くなり,忙しい所に機動的に人を配置することが可能になる.そのためには,各人の複数種目検査の習得が必要であり,そのために生理が2グループに分かれ,脳筋は病棟・腹部エコーと1グループになりローテーションを行っている.新棟では,各検査室の翌日の予約状況を見ながら検査人員の配置を決めることになると思われる.  
  しかしながら,効率的な検査を行うための物理的な条件はクリアーしたとして,もう一つ,個々人の意識変革が伴わなければならない.自分たちに求められているものを自覚して日々検査に当たることはもちろん,管理する側にもその仕事内容を適切に評価する人事管理のシステムも求められる.  
  来年秋ごろに東大病院生理検査部門は新たな段階に入る.  

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