10年間の変遷
この10年間で検査室の大きなシステムリプレイスは2回行われた.
最初の変更は平成20年に菅野信子副技師長(平成21年退職)を中心に行われ,当時勤務していた久米幸夫主任とともに更新を行った.その際,それまで搬送接続だった凝固検査をマニュアル検査に変更し,血糖検査の全面マニュアル化した.また,緊急検査専用の凝固検査機器を廃止してルーチン機の共用使用により初期導入費用の削減に大いに貢献した.
平成25年の2回目のシステムリプレイスは,久米幸夫,小野佳一の両主任により,血糖検査関連の運用改善(搬送接続等)でTATを大幅短縮することが可能となり,迅速な結果報告により効率的な診療に大きな貢献を果たした.
現在は,当検査室に配属されたスタッフは主に3名(久米幸夫主任,佐藤美知子主任,小野佳一主任)で運営している.
検査に関しては,血栓止血検査では,血液凝固自動分析装置(3台),全自動臨床検査システム(1台),血小板凝集測定器(1台),血小板停滞率用ボンプシリンジ(1台)にて1日平均500検体の凝固検査の処理とPT,APTT,フィブノゲン,Dダイマー,FDP,AT,PC,Free PS,トロンボテスト,ヘパプラスチンテスト,PLG,PIC,TAT,尿FDP,凝固因子,クロスミキシングテスト,F]V因子,血小板凝集能検査,血小板粘着能検査を実施している.血糖検査では,自動グリコヘモグロビン分析計(3台),全自動血糖測定装置(3台),自動化学発光酵素免疫分析装置(1台)にて1日平均600検体の血糖検査の処理と血糖,HbA1c,IRI,CPR,尿CPR検査を実施している.また,この10年間において新たに行った内容として,以下の項目がある.
【血栓止血検査】
・血小板凝集測定器をPA-200に変更
・HIT検査のサービス開始
・クロスミキシング検査の実施
・凝固試薬の変更とAPTTのロット間差を無くし,測定値の一定に努めている
・緊急検査で,Dダイマーの測定
【血糖検査】
・CDEによるCGM検査の導入
・HbA1cのNGSP値への変更
・IRI,CPRの試薬変更(IRIはインスリンアナログ製剤を測り込む試薬へ,CPRはWHO準拠の
標準物質に変更)