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50周年に寄せて(2005年)
凝固・血糖検査室の10年の歩み

菅野信子

1)10年間の変遷
  従来の凝固・血糖検査室は,緊急検査の業務も含めた検査室であった.しかし,現在は第二世代総合搬送システムの構築により,血漿検体を主に扱う部門として第三部門に属している.当検査室のこの10年の変遷を下に記す.

  1. 1999/12/15:血液凝固分析装置コアグレックス800の導入.
  2. 2000/06/07:PIVKA−U測定法の変更.
    用手法より電気化学発光免疫装置ピコルミの導入によりECLIA法に変更.
  3. 2002/01/04:血小板粘着能検査ガラスビーズカラム法よりコラーゲンビーズ法に変更.
  4. 2002/03/25:トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT)測定法EIA法より時間分解免疫測定法(TR-FIA)に変更.
  5. 2003/08/05:化学発光免疫測定 (CLEIA)法によるCペプチド(CPR),インシュリン(IRI)の測定項目の導入.院外検査であったCPRを院内に取り込み,HbA1c,血糖,IRI,CPR用の採血管の一本化を図る.
  6. 2004/10/18:フィブリノゲン・フィブリン分解産物(FDP)を血清法から血漿法に変更し,経済性と患者負担の軽減を図る.

2)検査室の現状と今後の課題
  診療前検査であるプロトロンビン時間(PT),HBA1c,血糖等の検体搬送システム(LA)による診療前迅速検査の施行はもちろんのこと,異常値(PT,Fbg,血糖)が出た場合の臨床側への迅速な連絡体制が確立し,診療支援に協力させて頂いている.また,血小板凝集能検査の結果については,コメントと共に画像管理で送信できるよう準備中である.
  脳梗塞,心筋梗塞などの虚血性心疾患,さらには深部静脈血栓症/肺塞栓症などが注目されている現在,血栓症の発症を診断・予知することは非常に重要な課題であり,今後は凝固検査する側として,この課題に取り組みたいと考えている.また,今後益々重要になっていく糖尿病診療についても,診察前検査の更なる充実等を図りながら貢献をしていきたい.一方,新しい検査導入時の基礎検討や,学術活動もおいても,積極的に参画したいと考えている.

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