50周年に寄せて(2005年)
微量物質分析室
山口ひろ子
1988年に発足した微量物質分析室は,6名でスタ−トし新しい分野のホルモン,腫瘍マ−カ−などの新項目を検討し日常業務に取り入れ,RIA法からEIA法への移行となりました.1993年にラボラトリ−オ−トメ−ション(LA)がスタ−トしました.分析機こそ自動化されてはいましたが,まだ手作業による部分が多く,検体前処理,分析機への自動搬送を含む,統合検体搬送システムである第一世代LA導入は,検査部が新しく生まれ変わった時でもありました.第二世代LAの現在は3名が従事しています.微量物質分析室は,その名の通り血清中や尿中に微量に存在する物質について,抗原抗体反応を利用し測定している部署であります.検査項目は甲状腺関連(TSH,T4,FT4,T3,FT3),腫瘍マ−カ−関連(CEA,AFP,AFP-L3%,PSA,CA19-9,CA125,CA153,フェリチン),ホルモン関連(FSH,LH,PRL,HCG,B-HCG,E2,プロゲステロン,BNP)です.発足時に比べて現在のイムノアッセイは,測定系,標識物,検出系について様々な分析機が考えられ,目覚しく発展し充実してきていると思われます.診察前検査が当たり前になってきている現実に対応出來るように,前任者の青野悠久子主任が言われた,Simple(簡単)Speedy(迅速)Sensitive(感度)Sprcific(特異性)Saving(経済性・節約)の5Sをモット−に検査部もそして,私達検査技師自身のレベルアップとともに,大学病院の使命を考えて日常業務に励んでいく姿勢が大切かと思います.