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60周年に寄せて(2015年)
緊急検査室

  緊急検査室では24時間365日,気送管を用いて病棟より検体の受け取りを行って緊急検査項目(生化学検査:29項目,感染症検査:4項目,血糖検査:1項目,血液学的検査:5項目+分画,血液凝固検査:4項目,尿生化学検査:5項目,尿定性検査:8項目,動脈血液ガス分析検査:12項目,髄液検査:2項目など)の測定を行っている.
  第三次救命救急,小児救命センターなどの開設に伴い項目の充実を図った.夜間当直では検査部,輸血部,感染制御部の協力体制をとり3名体制で緊急検査項目から輸血検査(ABO式血液型,RhD血液型,輸血用血液(日赤血・自己血・アルブミン)の準備・供給),感染症迅速検査(インフルエンザ抗原検査などの6項目)も実施している.
  1997年10月16日に臓器移植法が施行され,東大病院は2001年5月より脳死肝移植実施施設として指定され,2005年心臓,2014年より肺の脳死移植が始まった.夜間,休日問わない脳死移植での輸血用血液の準備・供給や,緊急検査以外の検査検体の預かり・処理などの業務も行っている.
  2013年に更新された搬送システムで大幅な分析装置の更新があり,今まで緊急検査室に2台ずつ常設して使用していた分析装置も1台とし,バックアップ機としてルーチン機を使用して分析装置の集約化に努めている.さらに,平日日中の緊急検査検体で搬送システムを利用できる時間帯は,搬送システムをフル活用して試薬などの節約に努めるとともに,その時間を装置のメンテナンスにあてている.また,試薬管理,メンテナンスなどは分析装置ごとに各検査室で実施するなど,各検査室との連携も深めている.これにより検体数の多い年末年始や5月の連休時には,搬送システムを使用して300件を超える検体を2〜3名で測定している.
  新人教育については,各部署で3か月間のミニローテイションを行い,終了後に当直開始となる.更にe-ラーニング,定期的な集合教育の実施などで技師のスキルアップを図っている.
  今後,専門的な項目の夜間休日の測定要望などもあるなか,診療サービスの向上に努めたいと思う.

文責 三輪 由貴子

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