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50周年に寄せて(2005年)
臨床化学検査室の現状紹介

大久保 滋夫

  臨床化学検査室は新中央診療棟2階の検査部検体検査部門の東側に位置して,現在,3名のスタッフで生化学検査43項目について約6000件/週の検体の処理を担当しています.現在使用中の機器は1999年7月より使用している第二世代のIDS製の搬送システムで,これに日立製の7600形自動分析装置を接続して処理しています.外来患者の多くは診察前検査であるため迅速な処理が求められ,約1時間での結果報告を実施しています. 臨床化学検査室は検査部では13名(男;8名,女;5名)からなる検査第二部門に所属する検査室で,検査第二部門の他のスタッフと日常業務で協力,協調体制を持ちながら運営されています. さて,昨今の医療経済が厳しい中,大学病院の検査室といえども,従来のように最も高性能な分析装置を選択して,高性能で高価な試薬を使用することはできなくなり,十分な収益が確保されるように運営することが要求されています.現在,次期の処理システムの構築に向けWG活動をしていますが,そのテーマは「スピード」で,臨床医と患者の要望に十分に答え,さらに集約化,効率化そしてスリム化して徹底したコストの削減で病院の要望にも答えていくものを目指しています.しかし,このような中でも,大学病院の検査技師としての使命である人材を育成し業務に探求心をもつことを忘れることなく,後輩に知識と技術を教え,そして検査の面白さを伝えるベテランの検査技師やさらに日常業務の中にテーマを見つけ検討していく実学的な研究をする検査技師や,遠い将来の検査項目になるかもしれない事項について基礎的研究を行う若手の検査技師が現れ,とても頼もしく思っています.

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