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50周年に寄せて(2005年)
一般検査

宿谷 賢一

  平成11年に国内の先駈けとなった大規模尿(一般)検査搬送ラインの構築があり,小林久幸主任(現:感染制御部)を中心に完成され現在に至っている.教官は橋本佳明講師(平成15年退職)から平成13年に腎臓内分泌内科の下澤達雄講師が就任した.検査部40周年時のスタッフである渡辺信子主任(平成15年退職)と原島典子氏(平成16年退職)は退職され,現在では平成9年以降に当検査室に配属されたスタッフ(下川憲子,伊井野潤子,藤瀬千恵,宿谷賢一,田中雅美:配属順)で構成されている.
  近頃はとくに検査コストが重要課題であり,当検査室は他大学病院と比較して検査コスト面の大幅な改善が必要とされる.搬送ラインに係る諸経費が原因のひとつであり,改善策として運用面の変更による経費削減に着手し,同時に経費削減を目的とした尿定性・尿沈渣・尿定量の再検査の新ロジック構築にも着手している.試薬管理では,在庫試薬を減少させるなど大幅な改善を試みている.また,以前は最大5名で業務していたが現在では最小2名での業務日もあり,日々,効率的な業務運用がスタッフの課題である.日常検査では,橋本講師と渡辺主任の汎用分析機を用いた多くの研究成果により尿定量は病院内外から高い評価を受ける.近年では形態検査に重点をおき,より精度の高い検査を目指し,現状の改善を進めている.尿沈渣は,JCCSL尿沈渣検査法を基準として円柱類や上皮類の結果(判定ランク)の変更,診療端末での結果参照を分かり易い成分名表示に変更した.また,尿中赤血球形態鑑別を導入し尿沈渣の付加価値を高めることに努めている.外来泌尿器科では尿定性検査のみ担当していたが尿沈渣を含めて担当することになり,異型細胞や他の特殊成分をいち早く報告でき,臨床医とのリアルタイムでのやり取りの上で,より精度の高いベットサイド検査を行っている.また,髄液中の血液腫瘍細胞を髄液一般検査で検出出来るように血液検査室の協力のもと研鑚している.     

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