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研究紹介
臨床研究「データマイニング手法を用いた多項目自動血球分析装置XNシリーズのリサーチ項目における診断意義の検討」の実施に関するお知らせ

  東京大学医学部附属病院検査部では,日常診療の質の向上を目的として,臨床検査法の精度改良や異常値の解明など,さまざまな研究を行っております.今回,当院の診療情報や検査結果を抽出して分析する臨床研究を実施することとなりました.本研究は,東京大学医学部附属病院検査部,企画情報運営部,高知大学医学部附属医学情報センター,シスメックス(株)との共同研究です.本研究の目的,内容は以下の通りになります.

1.研究の目的
  自動血球計数装置を用いた血球検査は基本的な検査の一つであり,感染症や血液疾患の診断に有用です.当検査部で使用している最新の多項目自動血球分析装置XNシリーズ(シスメックス(株),以下XN)では様々な研究用項目(以下,リサーチ項目)と呼ばれる測定値が出力されています.
  本研究では,東京大学医学部附属病院を受診された患者さんの診療を通じて集積された診療情報やXNのリサーチ項目のデータを抽出し,データマイニング手法(※)を用いた分析を行うことによって,リサーチ項目の臨床的意義や有用性について検討します.本研究によりリサーチ項目の有用性が確認されれば,日常検査を行う中で情報量を増やすことができ,より正確な診断に寄与すると考えています.
※データマイニング:大量のデータを分析し,新しい知識や規則性を見出す研究手法です.本研究では,データマイニング手法を用いて,検査データと様々な疾患との関連性を見出し,今後の医療に役立てることを目的としています.

2.方法
  平成27年7月1日以降に,当院に入院もしくは外来受診された患者さんの診療情報が本研究の対象となります.必要な診療情報のみ抽出し,患者さんの個人情報を削除して,別の番号で連結不可能匿名化した後,解析に使用させていただきます.データの抽出・解析は,東京大学医学部附属病院内で行います.
  抽出する診療情報は,@XNで測定した血液検査データおよびリサーチ項目,A診療情報システムに保管された診療情報データ(検査データ,病名,入退院歴,外来受診歴,治療歴)になります.本研究は,日常診療から集積された既存の診療情報を利用するものであり,新たに患者さんに負担が生じることはありません.

3.研究における倫理的配慮について
  本研究は,日常診療から集積された既存の診療情報を二次利用させていただくものであり,患者さんの生命・健康に直接影響を及ぼすことはありません.本研究で利用させていただく診療情報は,患者さん個人を特定できない匿名化情報として加工し,厳格に管理・保護いたします.個人情報が漏れることはありません.研究成果は,医学の発展のために学会発表や学術論文発表などをさせていただくことはありますが,集団を記述したデータとし,患者さん個人が同定されるデータを公表することはありません.また,研究対象に該当するか否かにより,実際の診療内容に影響することはありませんし,研究にご協力いただけない場合でも診療上の不利益を受けることはありません.なお,費用はシスメックス(株)との共同研究費で行います.

本研究についてご質問等がある場合,また,ご自身の情報を本研究に利用することにご了承いただけない場合は,お手数ですが,検査時に担当者までお申し出ください. 平成29年12月までは,同意の撤回が可能です.

連絡先  東京大学医学部附属病院 検査部
代表者名      矢冨 裕(やとみ ゆたか)
連絡担当者名  増田 亜希子 (ますだ あきこ)
電話 03-3815-5411 (代表) 内線37477  FAX  03-5689-0495
E-mail info-lab@h.u-tokyo.ac.jp

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